2012年5月3日木曜日

【世界の街角からMM】第138号冬のモスクワ(2) 2012年5月3日


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メールマガジン「世界の街角からMM」       第138 201253
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既に春になってしまったのですが、冬のモスクワの続き2です。ちょっとしたモ
スクワの魅力です。

2月下旬、無理やり時間を取り10日間ほどエレバンとモスクワに行ってきた。

▼目次
■モスクワ環状道路とペトロフカ通り
■ペトロフカ通り20番地のアエロフロート・ロシア航空事務所
■今でもTsUM
■大改修が終了したボリショイ劇場
■■後記
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■モスクワ環状道路とペトロフカ通り

後述するアエロフロート・ロシア航空の事務所へ行くために地下鉄9号線チェー
ホフスカヤ駅で下車、目の前のBoulevard Ringであるペトロフスキー大通り(Pe
trovsky Boulevard)からペトロフスカ通り(Petrovka Str.)へ入る。地図上では
このように容易だが、実際の空間は地図とは異なるので、注意深く記憶している
地図と目の前に広がる空間を比較する。

間違いないようだ、目の前がプーシキンスカヤ広場、中央分離帯のある広い通り
がペトロフスキー大通りだろう。右方向(東)に行けばペトロフスカ通りのはず
だ。

駅からは緩やかな下りとなっている。雪道を暫く歩くと交差点があり右へ曲がる
とペトロフスカ通りとなる。左にUpper St.Perter Monasteryが見え、右にはモ
スクワ近代美術館が現れた。ここから、テアトル広場まで緩やかな下りだ。ペト
ロフスカ通りと平行して西側にモスクワの銀座通りと形容されるトヴェルスカヤ
通り(ソ連時代はゴーリキー通り)が赤の広場へ向かって下っている。こちらは裏通りと言う感じで静かだ。

チェーホフスカヤ駅前の広い通りはBoulevard Ringと呼ばれ、モスクワの環状道
路の一つで、内側から2番目に位置する。

1.Garden Ring (Bulvarnoe Kolco)17世紀旧市街(Zemlyanoy Gorod)を囲む道
2.Boulevard Ring(Bulvarnoye Koltso) 旧城砦に沿った道路
3.Sadovoye Kolco、地下鉄環状線と重なる環状道路
4.The 3rd Transport Ring、半径約5km、現在のモスクワ市街地の端
5.The 4th Transport Ring(建設中)
6.MKADMoscow Ring)、モスクワ市境界沿い道路

このようにモスクワ環状道路は5+1(建設中)、爆発的な自家用車の増加から
ソ連時代に建設された道路ネットワークは既に容量オーバー、慢性的な渋滞が発
生し、モスクワの深刻な都市問題となっている。ソ連時代はどうか?広々とした
道路と少ない自動車交通だったので、つまり道路容量が十二分に足りていたので、
非常にゆったりとしていた。

チェーホフスカヤ駅前のBoulevard Ringは城壁を取り除いて道路としたため、中
央分離帯が公園となっている。札幌の大通公園か、名古屋の100m通りのような趣
だがそれほど広くはないが、周囲の歴史的な建物との調和が取れしっとりとして
いる。

この通り、ボリショイ劇場とTsUMの間の通りで高級ブティックが並んでいる。特
に縁があるわけではないが、歩いていて視野に入ってくる。路上駐車ばかりで閉
口するがソ連時代は駐車場なんていう概念はなかったのだろうなと物見遊山で歩
いていたら、左にアエロフロートのサインが見えた。

■ペトロフカ通り20番地のアエロフロート・ロシア航空事務所

都心のアエロフロート事務所は、ネットで検索したらペトロフカ通り20番地にあ
ることがわかった。ここが最も行きやすいが、地下鉄駅に近いわけでもない。も
っと便利な場所にないものかと検索したが良くわからず仕舞いだった。散歩がて
ら出かけることにしたのだ。

事務所での対応は非常に丁寧だった。番号札を取って順番を待つシステムだが、
誰もいないので直ぐに順番が回ってきた。期待せず、カウンターの中年女性に英
語は話すかと挨拶代わりに一応聞いてみたが返答は期待通り「ニェット」だった。
しかし、以心伝心、何をしたいかは直ぐに理解してくれるところがロシア人らし
い。

席が予約できるかどうか、それを確認するためにわざわざ出向いた(半分以上散
歩気分ではあったが)のであるが筆者が買った安チケットでは出来ないという回
答だった。それよりもこの界隈の散策の続きをすることばかり考えていた。オフ
ィスが快適だったので、椅子に腰かけ次のルートを練った。

Aeroflot Ticketing Office
Petrovka Str., 20/1

■今でもTsUM
ペトロフスカ通りをさらに進みむと左側、ボリショイ劇場の手前、にTsUMがある、
小奇麗なビルだ。このTsUM、日本語にすれば中央共通デパートとでも訳すのだろ
うか、要するにソ連時代のデパートと言えばTsUMであった。

TsUM - Central Universal Department Store
Russian:
ЦУМ-Центральный Универсальный Магазин,

ソ連時代とソ連崩壊後で異なる点は、国産品が限りなく少ないということだろう
か、しかも、世界のブランド品ばかり販売している印象だ。そして、ソ連時代に
は庶民でも縁があったデパートが、ロシアになりTsUMは敷居が格段に高くなった
と言えよう。エントランスにはヨーロッパの高級自動車マセラッティが展示され
いた。

TsUM

■大改修が終了したボリショイ劇場
アエロフロート・ロシアし航空の事務所を出てペトロフスカ通りをそのままテア
トル広場方面へ向かえばボリショイ劇場の横に出る。

ボリショイとは大きいという意味なので、大劇場という名の劇場であるが、旧ソ
連ではどこでもそう呼んでいたと聞いたことがある。メトロポールホテルの前に
鎮座し、正面右側がペトロフスカ通り、その右側にTsUMがある。

正式には国立アカデミー・ボリショイ劇場という、ロシアを代表するバレエ、オ
ペラ劇場であり、ボリショイバレエはこの劇場を本拠地としている。1825年、帝
政ロシア時代に落成し、ソ連時代を通してロシア芸術の中心的存在であったが、
老朽化のため2005年に閉館、20111028日、6年の歳月と200億ルーブル超を投
入した大改修が完了した。

真新しさを感じるファサード、破風が太陽神アポロンの四頭立て馬車の彫刻に換
えられている。


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■■後記

モスク滞在後半の紹介でしたが、4月は引っ越しとその後の片づけで前回から時
間が空いてしまいました、悪しからず。

それから冬のモスクワは今回でお仕舞いにする予定でしたが、記憶をたどってい
るうちに項目が増えてしまったので、次号も冬のモスクワとする予定です。

さて。都市を把握するにはとにかく歩くことが重要です。それは人間のスケール
で記憶できるから、車で通り過ぎるとほとんどのことがインプットされない。そ
ういう心情から特に都心部では歩きまわることにしている。欲を言うならばテー
マを持った上で歩きまわりたい。

最近、街歩きのような紀行文となってきた。

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