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メールマガジン「世界街角通信MM」第284号 2017年12月17日
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皆さま、こんにちは、世界街角通信MMです。
さて、11月初旬よりヨルダンのアンマンに滞在中です。
シリーズ名を世界街角通信MM版「中近東通信」とし、今号はNo.4をお贈りします。
▼目次
■米ペンス副大統領のエルサレム訪問を発表
■12月は日本が国連安全保障理事会の議長国
■エチオピア最大の投資家、サウジの反不正キャンペーンで逮捕
■シリアポンド、急上昇
■エチオピア、パイプライン事業をキャンセル
■■後記
★本文★
■米ペンス副大統領のエルサレム訪問を発表
新たな火種となりそうなペンス副大統領のエルサレム訪問、ペンスの支持層であ
るキリスト教シオニストが背景にある。
キリスト教にもシオニズムが存在し米国のキリスト教プロテスタントの福音派の
一部が主張している。それは、イスラエル(パレスチナ)を神がユダヤ人に与え
た土地と認めることであり、イスラエル国家の建設は聖書に預言された「イスラ
エルの回復」であるとし、ユダヤ人のイスラエルへの帰還を支援している。
キリストの再臨と世界の終末が起こる前に、イスラエルの回復がなされている必
要があると考え、イスラエルの建国と存続を支持し、エルサレムの神殿の丘の上
の神殿再建に信仰上の価値を置いてきている。
つまり、エルサレム旧市街に位置するこの神殿の丘にはイスラム教の岩のドーム
(西暦690年)、鎖のドーム、昇天のドーム、アル・アクサー・モスク(西暦710年)
が建っている。神殿の丘の西側外壁(エルサレム神殿の外壁)がユダヤ教の聖地
嘆きの壁である。
現在、神殿の丘はイスラエルの領土内にあるが、管理はイスラム教指導者により
行なわれている。そのため、ユダヤ人とキリスト教徒は神殿の丘で宗教的な儀式
を行う事を禁止されている。
2000年9月28日、右派リクードのアリエル・シャロン党首が神殿の丘を訪問し、
これに反発したパレスチナ市民により第二次インティファーダが発生している。
今回の訪問は、トランプ大統領の首都エルサレム宣言で既に強い反発がおこって
おり、ペンス副大統領のエルサレム訪問が火に油を注ぎことになりかねない。
「キリスト教シオニスト」の実態
■12月は日本が国連安全保障理事会の議長国
12月に入ってトランプ大統領のエルサレム首都宣言、続いて、ペンス副大統領の
エルサレム訪問予定と、議長国の当初の思惑から外れているのではなかろうか?
外務省ウエブより抜粋:
1 我が国は,12月,国際連合安全保障理事会(国連安保理)の議長国を務
めます。
2 12月15日,我が国は不拡散(北朝鮮)に関する国連安保理閣僚級会合を
主催する予定です。加えて,「国際の平和と安全に対する複合的な現代的課題へ
の対処」に関する公開討論,小型武器や国連平和維持活動に関するブリーフィン
グも予定しています。また,12月の国連安保理における議題の中には,南スーダ
ン,ミャンマー,シリア等が含まれます。
3 12月は我が国の11回目の国連安保理非常任理事国としての任期の最終月
です。日本は,国連安保理が国際社会の平和と安全に積極的な役割を果たすよう
貢献していきます。
■エチオピア最大の投資家、サウジの反不正キャンペーンで逮捕
Mohammed Hussein al-Amoudi, one of
Ethiopia's biggest investors, among t
hose arrested in Saudi anti-corruption
campaign
Amoudiが逮捕されても既に91年以降、ソ連が崩壊した直後に国家の財産が売却
されたのと同じ様にエチオピアの社会主義政権の崩壊後、国営企業の民営化に伴
い買収を進め財閥の様な存在になっていますので揺るぐ要素は少ないのでは。仮
りにこの状況で誰が利することになるかと言えば、当然ながら、同様に根を張っ
ている中国企業となります。
Amoudiがエチオピア市場に入れたのは、母がエチオピア人という事も大きく影響
していると思います、当然ながらイラン・イラク戦争の関連で冷戦構造が終焉を
迎える前に財を成していた事も。ジンバブエも中国ファクターが重要ですが、ム
ガベ政権後も継続なのかは不明です、他方、エチオピアの経済成長は、ソ連ブロ
ック圏であったメンギシスツ政権崩壊後、中国モデルを標榜しています、今、過
渡期で少数が支配する構造に内政がやや不安定になっていますが。
アフリカの角地域、ジブチの沖合いはスエズ運河ルート、そして内陸の人口1億
のエチオピア、その先に油田地帯の南スーダン、パイプラインはポートスーダン
ルートです、があります。中国の視点は、明確です。AU本部及びUNECA本部所在
国として、今年、5月の一帯一路サミットでエチオピアはAIIBに加盟、かつて欧
州がやってきた事を焼き直して実行しています。
2006年の北京アフリカサミット以降、進出は顕著です、それ故に、アジスアベバ
では各種美味しい中華料理をいただけます。
この様な状況下、Amoudiのエチオピア人としての投資は、中国企業の攻勢が進む
中、多大な歓迎です。
■シリアポンド、急上昇
内戦前は1ドル50SPだったが、430SPまで下がっていたのですね。急上昇と言うこ
とは先行きが明るい材料が織り込まれたのだろう。まだSPを持っている、価値が
下がっても近い将来、使える事を願っている。
■エチオピア、パイプライン事業をキャンセル
エチオピア政府、エチオピアージブチ鉄道保護のためにパイプライン事業をキャ
ンセル。とは言えいつになったら鉄道は運行を開始できるにだろうか?パイプラ
イン事業そのものは妥当性がある。
★本文ここまで★
前号 世界街角通信MM No.283の目次
▼目次
■アンマンの交通-その1タクシー事情
■アンマンの交通-その2アンマンの空港と市内の交通
■不毛地帯(映画1976年)
■BBCによる日本の選択への示唆
■■後記
■Facebookのグループで下記の2グループを運営しています。
★CA+C 中央アジア・コーカサス地域研究会(グループ)
★R+EE 露・東欧地域研究会(グループ)
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■■後記
アンマン、標高970m(私のアパート)、12月から2月までは寒い。12月の平均気
温は14.4度、平均最高気温は26.3度、平均最低気温5.2度です。
極寒というわけではないが暖房がないと辛い。効率的な暖房がないようでエアコ
ンとか電気ストーブ、オイルヒーター等の電気が多い。
しかし、電力料金は単位当たりで日本の約2倍相当と高い。寒くて辛い冬になり
そうです。
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メールマガジン「世界街角通信MM」第284号 2017年12月17日
発行責任者:飯尾彰敏
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