2009年10月5日月曜日

【世界の街角からMM】第31号 ウズベキスタン概況4 国際関係 2009年8月23日

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メールマガジン「世界の街角からMM」         第31号 2009年8月23日
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ウズベキスタン概況4(国際関係)です。
▼目次
■国際関係
■■編集後記
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■国際関係
1991年、ウズベキスタンはCISに加盟、しかし、再統合に反対し、1999年、CIS集
団安全保障機構から脱退した。それ以後、ウズベキスタンは内政安定化への脅威
を緩和する姿勢からCISタジキスタン平和維持軍と国連が組織したタジキスタンと
アフガニスタンの紛争解決協力のため参加した。

ウズベキスタンは軍事予算の約25%相当にあたる500万米ドルに及ぶ援助を2004年
に米国から支援されワシントンに待遇されていたが、2005年のアンデジャン事件
以降、政府は米軍がアフガニスタンで行なっていた軍事活動のため借用していた
Karshi-Khanabad空軍基地の使用許可を取り下げた。ウズベキスタンは米国が世界
的に展開している対テロリズム活動への積極的な支持者であり、アフガニスタン
及びイラン両国との取引の連携に参加していた。

米国とウズベキスタンの国際関係は、グルジアやウクライナ、そして小規模では
あるがキルギス共和国で起こった一般的に呼ばれているカラー革命以降、悪化し
た。アンディジャン事件における独立した国際的な機関による調査に米国が参加
したとき、更に関係が急速に悪化し、カリモフ大統領は、ウズベキスタンのリー
ダーとして断定された人権侵害を批判しない中国とロシア寄りの政治的同盟へと
方針を変更した。

これを受け、2005年7月下旬、ウズベキスタン政府は米軍が使用しているアフガニ
スタン国境に近いKarshi-Kanabad空軍基地に対して180日以内に撤退するよう命じ
た。カリモフ大統領は米国での911直後、米国へ空軍基地の使用を申し出ていた。
また、ウズベキスタンではアンディジャンでの暴動は米国及び英国の影響を受け
た地区から波及したとも信じられている。これには他の理由があり、ウズベキス
タンと西側諸国の間に強い敵意がある。

ウズベキスタンは1992年3月2日以降国連、EAPC(Euro-Atlantic Partnership
Council)、PfP(Partnership for Peace)、OSCE(Organization for Security
and Cooperation in Europe)の加盟国である。また、OIC(Organization of
Islamic Conference)、ECO(Economic Cooperation Organization)に所属して
いる。

EAPC:
http://www.nato.int/issues/eapc/index.html

PfP
http://www.nato.int/cps/en/natolive/topics_50349.htm

OSCE
http://www.osce.org/

OIC
http://www.oic-oci.org/

ECO:アゼルバイジャン、トルコ、イラン、アフガニスタン、パキスタン、キルギ
ス共和国、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタンの1
0ヶ国。
http://www.ecosecretariat.org/

1999年、ウズベキスタンはGUAM(Georgia, Ukraine, Azerbaijan and Moldova)同
盟に加盟し、GUUAMとなったが2005年脱退した。

GUAM
http://guam-organization.org/

ウズベキスタンはSCO(Shanghai Cooperation Organization)にも加盟しタシケ
ントでRegional Anti-Terrorist Structure (RATS)をホストしている。また、200
2年、CACO(Central Asian Cooperation Organization)に加盟したが、2006年1
月25日にウズベキスタンがユーラシア経済共同体(EAEC or EurAsEC)に加盟が実
現したことにより、事実上、OCAC(CACO)はEAEC(EurAsEC)と統合され解体した。

この地域的な枠組みの全容を掴むのは未だ苦戦しているのでまたの機会にレビ
ューしたいと思う。

SCO
http://www.sectsco.org/EN/

SCO RATS
http://www.ecrats.com/en/

CACO
http://www.photius.com/eaec/

EurAsEC
http://www.evrazes.com/

2006年9月、人権問題の批判にもかかわらずUNESCOはカリモフ大統領へウズベキス
タンの文化遺産保護に関する貢献に対して賞を授与したことは、ウズベキスタン
と西側の関係へのサインと見られている。

http://unescoeducation.blogspot.com/2006/09/uzbekistan-protest-over-award-for.html

http://www.openpr.com/news/11133/UNESCO-s-Borobudur-Gold-Medal-awarded-to-President-Islam-Karimov.html

2006年10月、ウズベキスタンの西側からの孤立改善が見られた。EUはウズベキス
タンと協議を行なうため人権と自由化に関する代表団を派遣することを表明した。

公式若しくは非公式とみらるアンディジャン事件(市民虐殺)の真偽性について
は曖昧にも関わらず、EUはに対ウズベキスタン経済制裁を解除することを明らか
に望んでいた。それにも関わらず、ウズベキスタン国民の間では、ウズベキスタ
ンにおける2004-05年の反政府活動が米英により推進されたという論拠から政府は
強固にロシアとの関係強化を維持すると見なされていた。

◆現在の国際関係
2005年のアンディジャン事件が岐路になり、ウズベキスタンは米国寄りからロシ
ア寄りへ傾いたまま、LukOilやGazpromが積極的に活動している。

2009年初頭にキルギス共和国政府からマナス空軍基地の撤退を要請された米国は、
再度、ウズベキスタンに近づきアフガニスタン国境に近いKarshi-Kanabad空軍基
地の再利用を模索していたようだが、6月下旬、オバマ大統領からの書簡によりマ
ナス空港の再利用が米国とキルギス共和国の間で再合意された。空港使用料はこ
れまでのUSD17millionからUSD60millionへ値上げされ、ロシアからはUSD150
millionの援助と2billionのローン供与をBakiyevは取り付けた。

ロシアは、ウズベキスタンと国境を接するフェルガナ盆地に位置するソヴィエト
時代に空軍基地だったOshにロシア軍が駐留することになった。これで、米露でこ
の地域の安全保障のバランスをとるということなのだろうか。

▼為替レート
1USD=1509 Sum (中央銀行商業売りレート)2009年8月20日
National Bank of Uzbekistan (National Bank for Foreign Economic Activity)
http://eng.nbu.com/about/history/index.php

■■編集後記
中央アジアの地域枠組み、高い壁ですね。それでその壁を越えたからといえ、ど
うなるわけでもなさそうです。これは歴史が証明してしているとおりです。

ウズベキスタン概況5(予定)
■文化
■自然環境
■地方行政
出張先の都市より人や街、生活のこと、耳にしたこと、肌で感じたこと、美しい
もの、旨いもの、ちょっと硬い言葉で言えば社会経済情勢かな、等、気ままなレ
ポート等をお届けしています。

引き続き、私の視点でトピックを提供できればと思っています。
ご意見・ご感想はお気軽にご連絡下さい。
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