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2009年5月14日木曜日

【世界の街角からMM】第25号 2009年5月13日タシケントの交通機関2

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メールマガジン「世界の街角からMM」         第25号 2009年5月13日
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今号はタシュケント市民の足、都市の公共交通(2)です。
第21号で説明したタシュケント公共交通(1)の続きで、トラム、バス、トロ
リーバスについてです。
▼目次
タシュケントの交通機関(1)
■タシュケントの交通機関
■タシュケントの地下鉄と地下鉄駅
タシュケントの交通機関(2)
■タシュケントのトラム
■タシュケントのバスとトロリーバス
■タシュケント公共交通概観
■■編集後記
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■タシュケントのトラム
現在、運行している路線はNo.3, 6, 8, 9, 12, 13, 17, 18の8トラム路線、総延
長122.4kmが運営され、No.6、No.3、No.17が乗降客数が多い。料金は一律400Sum。

メトロとトラムネットワーク
http://ca.iio.org.uk/uz/uz-tashkent-transport.html

運営組織は、Tashshahartranshizmat(Association of Tashkent City Transport
Service)で、タシュケント市内の公共交通を提供する官民が出資する組織である。
この傘下に38事業会社があり公共交通を運営している。トラムは、
Tashelektrotrans Electric Transport Companyが担当している。

2009年3月現在、タシケントには2種類(車体カラーのみ分類、形式調査中)のト
ラムが運行している。一つは白地に黄緑色のライン(国旗の一番下のカラー)
(Type KTM8及びTatra-Jug (T3M/T6)、もう一つは、ベージュ(Uraltransmach
(Russia),Spektr 71-402)だ。1996年にタシュケントへ来たときは白地に赤のライ
ンだった。
http://uz.iio.org.uk/tashkent_trspt.htm

最近、ロシア製トラム(Spektr 71-402)30輌が導入され、No.25及びNo.27の2路
線が再開されるとの噂もある。現在、軌道のリハビリテーションを実施されてい
るが、軌道はバラスからアスファルトに更新されている。果たしてこれが適当な
のだろうか。

Light Rail in the former SU
http://www.xs4all.nl/~rajvdb/lra/index.html

■タシュケントのバスとトロリーバス
▼バス
日本のバスより洗練されMercedez Benz製のたバスがタシュケント市内を走ってい
る。これは、イスタンブルのMercedez Benz工場で製造されたバスだ。見たところ、
結構な乗客数だ。

2006年7月3日、タシュケント・バス交通の民営化に関する大統領令(Realization
of state shares of Toshavtobustrans (Tashkent Bus Transport) to private
property)が出され、国営企業であるToshavtobustransが民営化され、新たにタ
シュケントの旅客輸送を担うTashshahartranshizmatが設立され、2010年までに民
営化される予定である。同時に外国銀行のクレジットラインにより2006-2007年に
159台の新たなMercedes Benz製バス車輌を調達され、第二段階として362台のバス
車輌の調達が予定されてる。料金は一律400Sum。

▼トロリーバス
10トロリーバス路線が運行され総延長は141km、122トロリーバスのうち朝の
ピーク時には98車輌が運行している。2002年時点で車輌数は213に増加していると
の報告があるが未確認である。

我が家の前にもトロリーバス(シュコダ)が走っている。ブレイクダウンしてい
るトロリーバスをよく見かけるので老朽化が激しく、緊急に更新が必要と思われ
る。見たところ20年選手だろうな。先日、ヒヴァへ行ったが、ウルゲンチ-ヒヴ
ァ間にトロリーバスが運行し、ここでは車輌の更新がされていた。

料金は一律400Sum。

■タシュケントのタクシー
ライセンスされているタクシー(タクシーと表示されている)と非ライセンスタ
クシーが混在しているが後者のが数が多そうな印象だ。どちらでも交渉なので大
勢に影響はない。

タクシーがいたるところで容易に乗車できるのは非常に便利だし、タクシー代金
は交渉ながら安い。交渉しなくてもあまり違わない。4キロ程度(地下鉄駅3駅分)
で2000-3000Sだ。ちょっとなら1000Sだ。車輌はウズベキスタン製のNexia、Matis
が多い。Matisはスズキのマルチに似た小型車だ。もちろんLadaも現役である。

一般的にホテルにたむろしているタクシーは倍以上の料金となる。Dedemanから
International Business Centreまで5000S、通常は2000程度だろうな。

無線タクシーがあり、電話すると来てくれる。料金は到着してから無線で走行距
離を連絡して決めているが普通のタクシーより高目の設定だ。

■タシュケント公共交通概観
タシュケントの公共交通機関は地下鉄、バス、ミニバス、トロリーバス、トラム
から構成され、ミニバスが2002年頃から新たに参入した。

交通需要は独立以降、大きく変化したが系統的な分析はこれまで行なわれず、そ
の対応は場当たり的な対応に限定され、投資計画(2006-2010)が策定されている
もものの、予算措置は未だにとられておらず、その結果、地下鉄3号線の延伸が滞
っている。

タシュケントの公共交通需要(2005年)は1.9百万人/日であり、2005年の対2001
年では90%へ減少し、機関分担はバス利用が増加し、地下鉄、トラム、トロリーバ
ス利用者が減少している。道路交通が増加し、軌道系(電気式公共交通)が2001
年比で36.6%から20.2%へ減少している。内訳では地下鉄が37%減、トラムが57%減、
トロリーバスが77%減である。

2005年の機関分担率は、地下鉄12.5%、バス54.1%、トラム6%、トロリーバス1.7%、
ミニバス23%である。

ミニバスは路線を民間企業へフランチャイズする方式で運営されており、運行
ルートの拡大と運行頻度の増加により利用者が増加した。一方、ミニバスへ利用
者がシフトしたことから、バス、トロリーバスの利用者数が減少した。

地下鉄はタシュケント公共交通の基幹交通機関であり、サービスレベルの向上に
よる利用者の増加が期待されている。

その課題として料金システムがあり、地下鉄は地下鉄だけに有効なトークンを利
用しているため、他の公共交通機関との共通性がないため、利便性が低い。その
ため全ての公共交通機関で利用できるチケッティングシステムの導入が必要であ
る。

トラムの近代化、軌道リハビリと車輌の更新、も公共交通機関としての大きな課
題である。現在、新たな車輌が導入され、軌道も順次、リハビリテーションが進
んでいるが道路建設と同様、その質が懸念される。

トロリーバスは電力を動力源とする交通機関であり、昨今の環境問題からは受容
され、且つ、静かである。ソ連時代に整備された広範なネットワークがあるもの
の、車輌の老朽化によるサービスレベルの低下による他の公共交通機関との競争
力が低いことが課題である。

▼為替レート
USD1=1466Sum (中央銀行商業売りレート)2009年5月8日
National Bank of Uzbekistan (National Bank for Foreign Economic Activity)
http://eng.nbu.com/about/history/index.php

■■編集後記
日常使っている都市の交通機関、一体全体どうなっているのだろうかと思い調べ
てみたがほとんど参考になる文献がない分野だ。まあ、この国でという補足が付
くが。

日本でもその昔トロリーバスが運行されていたし、トラムもあったがモータリ
ゼーションの名の下、米国流ということだが、大都市では道路交通の邪魔者扱い
され消えてしまったが、旧ソ連では現役だ。

今日ではトラムもトロリーバスも電力を動力源としているのでクリーンエネル
ギーと見直されている。このまま主要先進国と同じ経緯を辿り消えてしまうのは
考え物、電力の優位性を生かして復活を期待したい。
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メールマガジン「世界の街角からMM」第25号 2009年5月13日
発行責任者:飯尾彰敏
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公式サイト1:http://worldcity-mm.blogspot.com/ (メルマガ用)
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バックナンバー: http://archive.mag2.com/0000283202/index.html
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2009年4月6日月曜日

【世界の街角からMM】タシュケントの地下鉄 第21号 2009年4月5日

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メールマガジン「世界の街角からMM」          第21号 2009年4月5日
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第21号はタシュケント市民の足、タシケントの交通機関レポート(1)です。

出張先の都市より人や街、生活のこと、耳にしたこと、肌で感じたこと、美しい
もの、旨いもの、ちょっと硬い言葉で言えば社会経済情勢かな、等、気ままなレ
ポート等をお届けしています。
▼目次はこちらです。
タシュケントの交通機関(1)
■タシュケントの交通機関
■タシュケントの地下鉄と地下鉄駅
タシュケントの交通機関(2)
■タシュケントのトラム
■タシュケントのバスとトロリーバス
■タシュケントのタクシー
■■編集後記
▼バックナンバーはこちらからお読みいただけます。
http://archive.mag2.com/0000283202/index.html
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【Kim's House 一時閉店】
2009年3月31日をもって一時閉店となりました。契約更新の関係でしょうか、非常
に残念です。再度、オープンするとのことですが何時になるかまだわかりません。

■タシュケントの交通機関
中央アジアの代表的な都市タシュケントは、人口210万人を有し、ソ連邦時代から
他の都市同様、地下鉄、バス、トロリーバス、トラムなど共産主義諸国ではスタ
ンダードな公共交通機関がここでも整備されてきた。

基本的にこの構成は現在も変わらず運営され、バスはイカルス(ハンガリー製)
からDaewooを経て現在はMercedez Benz(トルコ製)へ更新され運行している。ト
ラムも新型車両(ベージュのカラーリング)が導入さている。トロリーバスと地
下鉄はソ連時代のままなのだろうか、情報が少ない。

タシュケント公共交通の特徴は、中央アジア唯一の地下鉄が運行されているが、
シェアはこれまた情報がないが観察からバス、そしてトラムがかなり分担してい
るように感じる。

■タシケントの地下鉄と地下鉄駅
ウズベキスタンの首都、タシケントには中央アジアで唯一の地下鉄が運行してい
る。現在、カザフスタンのアルマトゥで地下鉄が建設中(2010年末開業予定、総
延長45km)なのでその座も限定的になっている。

旧ソ連では7番目に地下鉄が建設された都市であり、地下鉄駅はそれぞれ固有の装
飾が施され、モスクワの地下鉄同様に世界でも有数の装飾された地下鉄駅として
知られている。

Tashkent Metro
http://urbanrail.net/as/tosh/tashkent.htm

Almaty Metro
http://urbanrail.net/as/alma/almaty.htm

▼タシュケントの地下鉄
タシュケント地下鉄の歴史は、1966年の大地震の後、1968年に計画が始まり、197
2年に最初の路線であるChilonzor Lineの建設が始まった。1977年11月6日に9駅が
開通し、1980年に全線(15.4km、12駅)が完成した。1984年、2番目の路線である
Ozbekiston Line(14.8km、11駅)が開通した。

最近ではYunusobod Line(6.4km、6駅)が2001年に開通し、北部への延伸は現在
建設中、2010年に開通予定である。4番目の路線、Sirghali Lineは計画中(8km)
である。現在はこれらの3路線、総路線長36.2km、29駅で運営されている。

現在(2009年2月)の運賃は一律400Sum、昨年までは300Sumであった。乗車すると
きはトークン(珍しいプラスチック製、ブルー)を窓口で購入し、改札のポスト
に入れる。降車時の改札はない。入り口と出口があり、ウズベク語で書かれてい
るようだが理解できないので人の流れを読んで行動した。以下、路線の要約。

1. Chilonzor Line(15.4km、12駅)、1977年開業
2. Ozbekiston Line(14.8km、11駅)、1984年開業
3. Yunusobod Line(6.4km、6駅)2001年開業、現在延伸中
4. Sirghali Line(8km)、計画中
http://www.urbanrail.net/as/tosh/tashkent.htm

鉄道システムは、モスクワタイプの4両編成で100mのプラットホームを使用してい
る。軌道は1524mmゲージで第三軌道から電力(825V DC)を供給している。平均駅間
は1400m、営業速度は 46 km/hである。ホームから第三軌道を確認しようとしたが
よくわからなかった。

運営は国営企業であるToshkent Metropoliteni、一日当たりの乗客数は45万人と
のこと。営業時間は06:00 - 1:00、ピークアワーの運行頻度は2分間隔である。
(本当かな?)

▼タシュケント地下鉄駅の装飾
地下鉄駅が29駅あるが、同じデザインはない。それぞれ各駅にテーマがあり構内
のデザインは建築家とウズベキスタンの芸術家によりデザインが決められ、内装
はメタルの彫刻、ガラス、プラスチック、花崗岩、マーブル、陶磁器、石膏など
が使用され、一駅一駅特徴のあるデザインが施されている。

それらを説明する資料があるのだろうけど簡単には辿り着けそうにないのが残念
だ。

いくつかの駅の観察から、地下鉄駅の装飾はウズベキスタンの産業や文化を反映
して綿花をモチーフにした照明の駅(Ozbekistan LineのUzbekiston駅)、モスク
内部のようなデザインの駅(Alisher Navoiy)等、見受けられた。同じくOzbekis
ton LineのOybek駅からYunusobod LineのMing Oriq駅への連絡通路は松明の明か
りで照らされた洞窟を歩いているような装飾と照明だ。

Yunusobod LineのBodomzor駅(Internatinal Business Center、インターコンチ
ネンタルホテル)はアールヌーボーのようだ。その他、宮殿のようなPakhtakor駅、
Pushkin駅、Chilanzar駅、Druzhby Narodov駅がある。

写真が撮れないので何らかの離れ業で撮影した写真を掲載しているサイトを紹介
する。撮影禁止になったのは1999年のテロ以降なのでそれ以前に撮られたものな
のかもしれない。

都市鉄道のサイト、こちらに若干駅構内の写真が掲載されている。
http://www.urbanrail.net/as/tosh/tashkent.htm

駅をクリックすると画像へリンクしている。
http://www.metrosoyuza.net/

▼撮影禁止
各地下鉄駅にはセキュリティガードが常にパトロールしている。ホーム構内、地
上といたるところで見かける。地下鉄構内は軍事施設として位置づけられ、もち
ろん撮影禁止になっている。

参考サイト
http://www.tashkent.org/uzland/subway.html
http://meta.metro.ru/tashkent/tashkent-e.html
http://metroworld.ruz.net/others/tash_index.htm (ロシア語)

▼為替レート
1USD=1439Sum (中央銀行商業売りレート)2009年3月27日
National Bank of Uzbekistan (National Bank for Foreign Economic Activity)
http://eng.nbu.com/about/history/index.php

■■編集後記
身近な交通機関で毎日のように乗車する地下鉄ながらその情報へのアクセスは非
常に遠い、ウズベキスタンの現在の国情を反映しているのだろう。

地下鉄観光ガイドブックでも出版できるほどなのだから残念だ。

引き続き、私の視点でトピックを提供できればと思っています。
ご意見・ご感想はお気軽にご連絡下さい。
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発行責任者:飯尾彰敏
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