2016年11月14日月曜日

【世界街角通信MM】第269号アフリカの角にて「続エチオピア情勢等」No.18-2016-11-04



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メールマガジン「世界街角通信MM」第269 2016114
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皆さま、こんにちは、世界街角通信MMです。

神の思し召しにより201510月中旬より「アフリカの角」地域、エチオピア高原
のアジスアベバに滞留しています。バックログながら半年ほど時間を巻き戻しつ
つ「アフリカの角にて」を備忘録的に筆者の琴線に触れたことをお届けします。

今号はNo.18「続エチオピア情勢他」です。

▼目次
■エチオピア非常事態宣言細則
■メスケル祭(真実の十字架祭) Meskel Festival
■■後記

★本文★

■エチオピア非常事態宣言細則

大使館警備領事班より受領した非常事態宣言細則です。内政安定化の措置ですの
で外国人の行動については、外交官のアジスアベバ40km以遠への移動の制限、禁
止とありますが、申請すれば許可が下りる状況です。

当然ながら在外反政府メディアへのアクセス禁止になっています、一連の反政府
的な活動には制限があります。以下、全文です。

エチオピア政府は8日付けで非常事態宣言を発出しましたが,15日夜、その具
体的措置について発表がありました。内容は以下のとおりです。
(※国営放送の聞き取りを元に作成しており、必ずしも網羅的でない可能性があ
ります。修正等ありましてら、追って連絡させて頂きます。)

(1)直接・間接的を問わず暴力を惹起する運動の禁止
(2)テロリスト及び反平和組織への関与及び同組織による文書の保有及び配布
の禁止
(3)エチオピア衛星テレビ(ESAT)及びオロモ・メディア・ネットワーク
(OMN)の視聴及び内容の伝達の禁止
(4)サービス提供の中止,店舗の休止,ストライキの禁止
(5)教育機関に於ける授業・講義の妨害の禁止
(6)スポーツイベントの妨害の禁止
(7)道路封鎖等の交通妨害の禁止
(8)インフラ施設や宗教施設への攻撃の禁止
(9)祝休日の妨害の禁止
(10)宗教的・公的・文化的イベントにおける政治活動の禁止
(11)行政業務の妨害の禁止
(12)法執行・治安要員は制服を着用する。それ以外の者は右制服の着用禁止
(13)未登録の火器の携行の禁止
(14)登録済み火器の他者への譲渡の禁止
(15)寛容や統一に影響する言説の禁止
(16)国家主権に影響する行動の禁止。以下を含む;
 (ア)外国政府やNGOとの間で,国家主権に影響する内容のコミュニケーシ
ョン
 (イ)野党による,国家主権に影響するステートメントの発出
(17)許可されない場所への立ち入り,難民の許可なしでのキャンプ外移動,
査証無しでの入国の禁止
(18)当局による事前許可無しでの,外交官のアディスアベバから40km以
遠の移動の禁止
(19)法執行要員の休職及び離職の禁止
(20)公共の平和及び安全を脅かすことを目的とした行動の支援の禁止
(21)銃火器の自己敷地外への持ち出し及び保持の禁止
(22)開発インフラ及び開発施設への攻撃
 (ア)午後6時から午前6時までの開発インフラ,投資プロジェクト,農業プ
ロジェクト,工場及びそれに類する開発施設周辺への立ち入りの禁止(承認を受
けた者を除く)
 (イ)警備員及び法執行要員は,上記施設周辺にいる者に必要な処置を執るこ
とができる
(23)外出禁止令が出た際の外出及び移動の禁止
(24)当局は脆弱性の高いグループを保護することがある。また,禁止された
地区及び道路の立ち入りの禁止
(25)家屋,土地,車両及びその他資産を他人に貸し出している者は,必要な
情報を最寄りの警察に提出する。貸出先が外国人の場合は,その者のパスポー
ト・コピーも提出する
(26)当局への協力及び情報提供
(27)法執行機関は上記全事項の執行を担う
(28)当局は令状無しでの被疑者拘束や,特定の場所への留置,必要な教育を
行うことができる。また,当局は令状無しで住居や資産の捜索や,ラジオ,テレ
ビ,その他メディアの検閲ができる
(29)法執行要員及び施設守衛は,人命に危害を及ぼす事態に際して措置をと
ることができる
(30)法執行要員は教育機関への立ち入り及び常駐ができる
(31)
 (ア)当局は被疑者を裁判にかける
 (イ)過去1年内に凶器を窃盗した者,暴力を支援した者,殺人を犯した者,
放火した者,その他犯罪を犯した者は,本日から10日以内に当局に自首した場
合は赦免又は減刑される。同人は,罪の軽重に基づき,社会復帰教育を受けた後
釈放される

また,同15日,当局は国営放送を通じ,国境から50km圏内及び主要道路
(アディス-ジブチ,アディス-シャシャマネ-モヤレ,アディス-シャシャマネ-
ドロ,アディス-アソサ,アディス-ハラル,アディス-ガンベラ,アディス-ゲブ
レグラチャ,ゴンダール-メテマ,ゴンダール-フメラを含む)から25km圏内
をレッド・ゾーンに指定し,銃火器や引火物の携行を禁止しました。

■メスケル祭(真実の十字架祭) Meskel Festival

927日、エチオピアンカレンダーの17 Meskerem、に行われるメスケル祭で祝日
でした。メスケルMeskel、そのものの意味は十字架(True Crossなのか単なる十
字架なのかはわからないが、この場合、True Crossであろう)、語源はエチオピ
アの宗教言語であるゲエズ語、よって「真実の十字架祭」というのが適切な表現
であろうか。

真実の十字架True Cross、この宗教的な意味は、ゴルゴダの丘にキリストが磔に
された十字架のことを意味する。

紀元後、326年から328年、キリスト教徒であるローマ帝国のコンスタンチン帝の
母であるヘレナ皇后が聖地エルサレムへ旅した時に教会を建立、貧困者救済組織
を設立した。

その時、三つの十字架を発見した。そこで奇跡が起こり、それらの三つの十字架
が、イエスが盗人であるSt. DismasGestasと共に磔にされた3つの十字架であ
ることを明かした。

その十字架を発見したことに由来する宗教的なお祭りで、他の正教でも Feast o
f the Exaltation of the Holy Crossとして知られている。

エチオピア正教では、Zara Yaqob皇帝(1434-1468)が、キリストが磔された十字
架の一部をエジプトから運び、エチオピア北部アムハラ州のAmba Geshen山中
(標高3,019m)にあるGeshen Mariam修道院のエグザビエル教会(Egziabher A
b,)に埋葬したのが、今日まで伝わる「真実の十字架」の由来になっている。

前夜祭は「デメラ祭」と呼ばれ、焚火Demeraの意、黄色いマスカル・フラワーが
家の門に飾られ、夜の間火が点されます。これはHelena皇后にキリストの聖墓の
場所を誰も知らせなかったため、香を炊き助けをもとめ祈った様を表現したもの
で、伝説によるとHelena皇后は煙りが立ち上る場所を掘り起こし3本のバラを発
見した。その内の一本がその真実の十字架であり、多くの奇跡を呼ぶと信じられ
ています。

また、マスカル祭前夜は町の広場や村々の市場などにマスカル・フラワーの苗木
植えから始まり、人々はマスカルの花を載せた長い棒を持ち寄り、積み上げて燃
やします。アディスアベバでは、市の中心にあるマスカル・スクエアでこのデメ
ラ祭(焚火Demera)行われます。

マスカル祭は2013年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されています。

★本文ここまで★

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■■後記

ネット接続不良でアップロードが遅れております、悪しからず。

さて、9月下旬から10が初旬、ポーランドに滞在しました。この時のことは追っ
て備忘録を書こうと考えています。

その前に当地のこと、非常事態宣言発令後、強硬手段に出られる体制が整ったこ
とから反政府活動家1600人を拘束とBBCが伝えていました。その結果、治安が安
定したという海外投資家の話を聞きました。

日常は変わらずですが、通信が遮断されています、特に携帯電話のデータ通信、
通話は以前と変わらず使えています。インターネットは接続されているものの
ソーシャルメディアは遮断されたままです。

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メールマガジン「世界街角通信MM」第269 2016114
発行責任者:飯尾彰敏
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