2010年4月11日日曜日

【世界の街角からMM】第49号エレバンにて、夏時間、アルメニアのアルメニア人 2010年4月10日

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メールマガジン「世界の街角からMM」        第49号 2010年4月10日
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2月初旬より、アルメニアの首都、エレバンに滞在している。多分、聞いたこと無
いだろな。そんな南コーカサスの小国、アルメニアからのレポートです。
▼目次
■エレバンにて
■アルメニアのアルメニア人
■南コーカサス
■夏時間
■最近の出来事
■■編集後記
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■エレバンにて
桜も見ぬまま4月も中旬に挿しかかろうとしている。もうこの国に来て2ヶ月が経
つ。最初は残雪が残っていて、屋根から落ちる雪を気をつけて歩いたものだが、
タシケント出張を終えて戻ってきたらもうほとんど雪はなくなっていた。

されど天気は来る日も来る日も曇天ばかり、まあ、仕事をするには秋の夜長と同
様、決して嫌いではない。ただ、事務所の暖房がオイルヒータだけだったのでさ
すがに風邪を引いてしまい、今回は鼻かぜから始まり、一夜にしてゴミ箱をテッ
シュ、いやそんな上等なものを我が家には置いていないので、トイレットペーパ
なのだが、満杯にしてしまった。

2月の木々はまったく頑なにしていたが、暖かくなりかけると芽が動き若葉が出始
めると街の印象も変わる。この季節、淡白い花が咲いていたのだがこれは杏らし
い。この地域の特産品、ドライフルーツとして知られているが、中央アジアも然
り、中東地域でも杏は多い。

暖かくなると木々だけではない、女性のファッションも芽吹くように鮮やかに薄
着になっていった。ブラック一色だったのが華やかになって視覚的にはなかなか
よい。

■アルメニアのアルメニア人
縁あってこの国のこの都市に滞在しているわけで、私の人生においてアルメニア
へ入国したことはソ連時代を通しても今回が初めてである。アルメニア人を見た
ことがないかといえばそうではない。

シリアのアレッポやラタキア、エジプトのカイロ、イスタンブル等で接触してい
るし、ラタキアでは一緒に働いていた。よってそれほど違和感があるわけではな
いが、アルメニアでアルメニア人というのははじめてゆえやや緊張もする。とい
うのはアルメニア語というのをこれまで聞いたこともなければ見たこともないか
らだ。

アルメニア以外でのアルメニア人との会話は英語を通してコミュニケーションを
取ったが既に2ヶ月経過するもアルメニア語は未だに食べ物程度しか記憶に残って
いない。

通常、英語で会話するか露語、露語が出来るわけでもないので英語になるがそれ
以外はオプションがない。

アルメニア人は歴史的に多くの血が混ざり合っているからなのだろう、一見アラ
ブ人からヨーロッパ人まで人相は幅広い。横のサイズも然り。特徴といえば鼻が
非常に高い、これをアルメニア鼻というらしい、本当だろうか。

肌の色も浅黒い人から真っ白な人、髪の色もブロンドから黒までこれまた幅が広
いが、髪の色は黒が多くを占める。顔の彫りも様々である。肥満が多いのは否定
できない。

つまりアルメニア人は、この場合女性限定だが、背が170cm以上で黒髪、黒い瞳、
ボディはスレンダーで手足長く、目鼻立ちがはっきりしている人、結果エキゾチ
ックな雰囲気を醸し出すことになる。

参考までに
http://www.rferl.org/content/Armenia_Foul_Play_Alleged_In_Latest_Eurovisi
on_Controversy_/1959801.html

■南コーカサス
日本からだとコーカサスさえ場所がはっきりわからないことだろう。コーカサス
地域は、カスピ海と黒海に挟まれた地域をいう。アルメニアは南コーカサスとい
い、アルメニア、アゼルバイジャン、グルジアの3カ国を指し、他方、北コーカサ
スはロシア連邦内のチェチェンやダゲスタン、北オセチアなど聞いたこともない
自治共和国が存在する地域を指す。この地域のことは追って詳細にレポートしよ
うと思う。

南コーカサスは3カ国だが、地理的な意味合いだけでアルメニアとグルジアは同じ
キリスト教徒ということもあって関係は良好なのだが、アルメニアとアゼルバイ
ジャンはアゼルバイジャン領地内のアルメニア人問題から発展して戦争状態にあ
る。そのナゴルノ・カラバフは実質的にアルメニア領となっている。しかも国境
線が複雑であり、イランとアルメニアの間にアゼルバイジャンの飛び地であるナ
ヒチェバンが存在する。

つまり、キリスト教徒であるアルメニア、グルジア、イスラム教徒であるアゼル
バイジャンと宗教が絡み合っていることから国境線も複雑になり、さらに、ソ連
時代に引いた国境線が現在の民族紛争に起因している。それ以前から長い長い歴
史の中で地理的要因から宗教や言語が複雑であることは近代以前からの状況では
ある。

■夏時間
3月29日(月)の午前0時に1時間進んで午前1時となり夏時間が始まった。何年か
ぶりに夏時間のある国で時刻が切り替わるときに滞在している。エレバンはGMT+
4:00だが本日00:00から夏時間が適用されGMT+5:00となり、日本との時差がこちら
からプラス4時間となった(日本はGMT+9:00固定のため)。

損したような気分だが後から戻ってくるので同じこと、1時間進んだので20時過ぎ
まで明るい。当然といえば当然なのだが。緯度は秋田県と同じくらいの北緯40度9
分。

モスクワは1時間遅れているGMT+3:00なのですが、隣のトルコはGMT+2:00のはず、
両国とも夏時間を採用しているので時差は変わらず、ベランダから見えるアララ
トは2時間遅れなのかと思うと不思議だ。

■最近の出来事
◆アルメニア・トルコ問題
2月下旬から3月にかけてアルメニア国内はもとより、昨年10月に合意されたア
ルメニア・トルコの国交正常化の進展について盛り上がった、究極は米国下院が
トルコによる1915年のアルメニア人大虐殺を可決したことにより、トルコ政府が
大使を召還したことだろう、次いでスウェーデンまでが国会で大虐殺を認めたの
だ。この背景には在米アルメニア人へのオバマ大統領の選挙中の約束が反映して
いると思われる。しかし、米国はトルコに圧力をかけてまでこの問題を先に進め
ることが得策ともどこかで考えたはず、しかし、トルコとアゼルバイジャンとの
関係やアルメニアとアゼルバイジャンとの関係もあり、一朝一夕で片付くとも思
えないが、アルメニアにとってはこれ以上マイナスにはならないことからどっし
りと構えて入られるようだ。

◆ナゴルノ・カラバフで出産ボーナス
アルメニアは人口300万人程度の小国、人口を増加させることは将来的にもアルメ
ニアが存続することを意味する。実効支配中のナゴルノ・カラバフで子供を出産
するとボーナスが支給される新たな制度が実施された。

ロシア在住のカラバフ出身の企業家が財政支援を行い、一定の条件を満たしたカ
ップルには子供一人当たりの出産にUSD2,000のボーナスを支給する。
既にナゴルノ・カラバフ政府は同様な出産奨励プログラムを実施中であり第一子
誕生には、USD300、第二子にはUSD600、第三子にはUSD3,000支給している。この
制度により2007年と2009年の比較で出生率が31.5%上昇した。

■■編集後記
初アルメニアレポート、着の身着のままです。
日本はもっと将来のことを考えなくてはいけない。人口減少は致命的な問題なの
だ。子供手当ても重要なのだろうが、篤志家を募って出産ボーナス制度などいか
がだろうか?
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メールマガジン「世界の街角からMM」第49号 2010年4月10日
発行責任者:飯尾彰敏
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