2010年11月8日月曜日

「世界の街角からMM」第81号メドベージェフ大統領の北方領土訪問、他 2010年11月7日

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メールマガジン「世界の街角からMM」        第81号 2010年11月7日
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▼目次
■メドベージェフ大統領の北方領土訪問
■IMF議決権シェア、中国第3位に
■■後記
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■メドベージェフ大統領の北方領土訪問
2010年11月4日、メドベージェフ大統領の北方領土訪問を受けて、河野駐露大使が
一時帰国したが、カードが限られている。苦しい日本、どうする?
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-17938420101101?rpc=131

本件、2012年の大統領選へ向けた布石、内政対策との見方で流されているが、日
本の対ロシア政策を再検討しなければならないタイミングではないだろうか。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20101102-00000055-nnn-pol

東郷和彦・元外務省欧亜局長は、ロシアの対日関係悪化について麻生、鳩山両政
権の瑕疵が要因との見方を提示し警鐘を鳴らしている。これは、ロシアが安倍政
権からプーチン首相来日まで領土交渉のシグナルを日本政府へ送っていたがその
シグナルを外していると指摘している。

その後、麻生元首相が「ロシアが北方領土を不法占拠している」と発言、鳩山政
権でも同様な発言をしたことから、「ロシア側は日本は交渉する気がないと受け
取った」と判断、その結果、日露関係が「顕著に悪化した」とし、ロシアの態度
が硬直し以下の状況を招いたと分析している。

1)ラブロフ外相が7月に演説した際、アジア太平洋で協力関係を進めたい国と
して韓中印ASEAN(東南アジア諸国連合)などを挙げたが日本は含まれなか
った
2)7月に択捉で軍事演習
3)9月に太平洋戦争勝利記念日制定

そして、その延長線上に今回のメドベージェフ大統領の北方領土訪問があると説
明している。また、「菅政権に至っても修復の兆しはない」という。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101104ddm005030131000c.html

今年は第二次世界大戦が終了して65周年、ロシアでは、特にモスクワでは、大祖
国戦争勝利の大々的な式典を5月9日に開催したことは以前にもお伝えした通り。
この期に対米へのバッシングとともに燻っている問題を片付けたいいうような北
方領土訪問であった。

9月にメドベージェフ大統領は中国を訪問し第二次世界大戦の終結65周年共同宣言
に署名している。中身はよくわからないが対日方針にロシアと中国が領土問題で
何かを画策しているとしたら日本にとっては好ましくないのは明白、北方領土と
尖閣、互助体制構築であったのならば。

北方領土に関しては日本も内政的な配慮から2島返還ではく4島一括返還を強調
し続けているが1956年の日ソ共同宣言では条約締結後に2島を返還すると記されて
いる。これに応じない日本政府にメドベージェフ政権は強硬なシグナルを送って
いるような一連の対日政策と受け止められる。

メディアは、メドベージェフ大統領が北方領土を訪問したことに騒いでいるが、
これだけでは能がない。しかも来週から横浜で開催されるAPECでの首脳会議に影
響しないなどど真面目に返答しているのも気になる、これではロシア、中国を相
手に外交は出来ない。

10月22日にイルクーツク石油とJOGMECが東シベリア地区での共同探鉱で油田試掘
に成功したと発表されたばかり、ロシアは日本の隣国であり資源大国、大国を敵
に回してばかりでは今後が心配だ。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201010/2010102200834

■IMF議決権シェア、中国第3位に
国際通貨基金は11月5日の理事会で、同基金内での議決権に反映される出資比率
の改革案を承認した。その結果、中国のシェアが6.39%と第3位となった。首位の
米国は17.41%、第2位は辛うじて日本の6.46%、この他の十大出資国はドイツ、
フランス、英国、イタリアの欧州4カ国とインド、ロシア、ブラジルの新興国と
なっている。

ストロスカーン専務理事は記者会見で「新興国と途上国の世界経済での役割拡大
を反映させた歴史的な合意だ」と強調している。これは世界が多極化しているこ
とと米国の権威が下落していることを裏付けるものと想像できる。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010110600123

今回の出資比率の改革は世銀のそれに続くもので国家の政治経済力を反映したも
の、現実に適応した改革と中国は説明している。中国出資比率増額は、元々、第
3位だったそうだがGDP総額の増加に比例して現行の6位から単に復活しただけと
いうことなのか、ではなさそうだ。

人民網日本語版(人民日報)は以下のように意義を説明している。
1)国際社会での発言権の高まり
2)国際金融での米国一極集中打破、多極化促進
3)中国の地位向上による経済促進
http://j.peopledaily.com.cn/94476/7177982.html

中国の発言権が高まるとどなるのか、分相応の国際社会への貢献よりも国家が優
先されることは想像に難くない。

■■後記
一時帰国中の駐ロシア河野大使がモスクワへ戻ったニュースを今朝聞いた。首脳
会談、もしくは外相会談準備のためのようだ。策を練るのとそれを実行するのは
大違い、実行できる策を練らなければ意味がないが、果たして前原外相、どうい
うレシピとメニューを用意しているのだろうか。
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メールマガジン「世界の街角からMM」第81号 2010年11月7日
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